Dr.T(George A. Themelis)のHow to use and maintain your Stereo Realistによれば、リアリストの光漏れは「欠陥ではなく仕様」と言ってよいほど頻繁に見られる障害とのことです。経年変化によるガタツキ、フィルム感度の上昇が原因で、1997年にインターネットを用いておこなわれた調査では、約半数の個体で光漏れが認められたそうです。
ほとんどの場合、右側の焦点調節リングの裏側、ボディとバック・カバーの合わせ目から光が入り込むというもので、右側のコマにオレンジ色の線が垂直に現れます。
私が入手した2.8モデルでも、最初に撮影した一本のフィルムのうち、4コマほどに光漏れが見られました。オレンジの線の現れ方はまちまちで、カメラのグリップの仕方、太陽の位置などで入り込む光の量が変わるものと思われます。
最も激しいリークの例。太陽が右上にあったためか。
Dr.Tの本には光漏れの検査法として、乾電池と豆電球をカメラ内部に仕込み、暗室で観察するという方法が紹介されてます。検査してみたところ、確かにボディとバック・カバーの合わせ目からはっきりと光が漏れているのが確認できました。また、わずかですがビューファインダーとレンジファインダーの周辺、カバーの右下辺りからも漏れがあるように見えました。
単4電池二本と豆電球を内部に仕込む。
対策は簡単で、光漏れのあるところにベルベットのような布をあてれば良いのです。
私は35ミリフィルムのカートリッジのフィルム口からはがし取った布を3ミリ幅位に切り取り、両面テープで張りつけました。
1本のカートリッジから2枚の布が取れる。これで充分。
ボディ側に張りつけたところ。
2つのファインダーの周囲にも。
下部への対策。こちらはカバー側に張った。
以上の対策を施した上で二本目の撮影をした所、光漏れはまったくなくなりました。めでたしめでたし。