ステレオ写真をはじめたきっかけ
(2001.4.12記)



立体画像には、以前から興味がありました。1990年代のはじめにランダムドット・ステレオグラムが流行った頃は、次々と出版された作品集を片っ端から買い集め、一人、楽しんでいました。そういった書籍をとおして、ステレオ写真も印刷物で見ていたのですが、簡単に撮影できるものとも思えず、自分で撮ってみたいという欲求はおこりませんでした。

ひとつにはGUIベースのコンピュータ(Windows3.0〜3.1のこと)を手にしたばかりで、パソコンでRDS画像を作るのが楽しく、そちらの方に引きつけられていたことがあります。RDS画像の年賀状を出して、友人の顰蹙をかったりしていました。

また、当時はステレオ写真に関する情報を集めるすべがなかったということもあります。時代はようやくMosaicが開発され、WWWの可能性が語られはじめたばかりで、今のようにWebでちょっと検索という時代ではありませんでした。今にして思えば、Niftyserveあたりではかなり濃密なディスカッションが交わされていたわけですが。

2000年の9月に再び立体画像に関心が向いたのは、数枚のステレオペアを見たのがきっかけです。車で渋谷を移動中、妻が「からくりミュージアム」なる看板を見つけ、立ち寄って見ることにしました。ミュージアム・グッズとして、ステレオ写真の葉書セットが売られていて、当然、何セットか買って帰ったのですが、その中に泰西名画をステレオ画像化したものがありました(杉山誠さんの作品です)。これには驚いてしまいました。一体、どうやって両眼視差情報を作り出したんだろう?

ステレオ写真の葉書

で、時代は、携帯電話でもインターネットの時代です。早速、サーチ・エンジンを使って色々と調べて見ましたが、一枚の画像からステレオ画像を作成するアルゴリズムは、いまだ謎のままです。しかし、色々な方のWebページを見てまわるうちに、思いがけず多くの人がステレオ写真を自ら撮影し、楽しんでいることを知りました。最初は人の作品を見て楽しんでいたのですが、ひょっとして私にも撮れるかもしれない、是非、撮ってみたいという具合に気持が変わっていくのに時間はかかりませんでした。

後のことは、別項に書いたとおりです。望遠鏡、顕微鏡、万華鏡など、覗きモノが昔から好きだった私は、ビューアーで見るステレオ写真の世界にすっかり魅せられてしまったわけです。今年の年賀状がステレオ写真だったことは、言うまでもありません。