麦草峠周辺の変形菌

** 2005/10/02 撮影 **

白駒池の紅葉を見るために、麦草峠から丸山、高見石と歩いてきました。当日はどんよりした天気だったので、歩き始めてすぐに紅葉は諦め、変形菌探索モードに切り替えました。白駒池の池畔はそこそこ色づいていましたが、残念ながらあまり撮影意欲をそそる光景ではありませんでした。

変形菌は胞子から発芽すると分裂を繰り返しアメーバのように動き回ります。このアメーバ状の細胞には雌雄の別があり、めでたく出会うと合体して接合体になります。接合体はバクテリアやカビ等を食べてぐんぐん成長し、大型のアメーバ状のもの、変形体に成長していきます(前回撮影した変形体。平行法交差法)。このネバネバした状態が、粘菌という名称の由来です。

成熟した変形体は子孫を残すため子実体を形成します。変形菌には様々な種類があり、形状も色もバリエーションに富んでいますが、典型的な子実体の形にまん丸の球体をのせたまち針のようなものがあります。この球体は胞子嚢と呼ばれ、胞子が沢山入っていて、これが放出されることで次世代の誕生へとつながっていきます。変形菌の図鑑や解説書には、一夜にして変形体から子実体へと変化する連続写真が載せられていますが、変形菌の名にふさわしい見事な変わりようで、是非、この眼でも見てみたいと思います。

変形菌は動き回って餌を捕食するという点では動物としての性質を持ち、きのこのようにじっと動かず胞子を放出して子孫を残すという点では植物としての性質を持っているわけで、このあたりも変形菌の奇妙なところです。

で、変形菌の最終形態である胞子嚢というものはとても小さく、1ミリにも満たないので、探すのに苦労するわけです。また、虫の卵、きのこ、カビ等の中には変形菌との区別がまぎらわしい形状のものがあり、今回、撮影したものも、「これ、ホントに変形菌?」という感じで、いささかというか全く自信がありません。はやく、違いのわかる人間になりたいものです。

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