登りついて不意にひらけた眼前の風景に しばらくは世界の天井が抜けたかと思う。 昭和17年に出版された尾崎喜八の『高原詩抄』に収められている、「美ガ原熔岩台地」という詩の冒頭部分です。美しの塔には、この詩の碑文がはめ込まれています。
美ヶ原高原まで車で簡単に行ける現在では、なかなかこのような感慨はわきませんが、山麓から樹林帯を歩いて山上に出ると、少しだけ実感することができます。