「夫と私の二人は、境内の聖池の傍らにある巨木菩提樹が、 枝葉を拡げて陰をつくっている場所に小さな穴を掘った。 その中に息子の骨の一片を埋め、用意してきた日本茶を、上から注いだ。 付近に咲いていた、可愛い草花も供えた。」 一ノ瀬信子,2005,『泰造見てますか?』,窓社,p.246
1982年2月、一ノ瀬さんがアンコール・ワット近くで消息を経って9年後のことです。