かねがねキヌガサタケというキノコを見たいと思っていました。白いレースのベールをまとったような姿から、「キノコの女王」と呼ばれています。が、山歩きをしていても一向に見ることができません。昨年調べたところ、関西以西での目撃情報が目立ちます。松本から日帰りで行くことのできる範囲では、群馬県と静岡県に発生する場所があることを確認しました。ちなみにキヌガサタケは梅雨の時期と初秋の二回、主に竹林に現れるそうです。
で、今年、過去数日にわたって目撃記録が報告されていた七月のある週末、群馬県まで行ってみました。残念ながら、キヌガサタケの残骸さえ見つけることができませんでした。数日、遅かったようで次の九月に期待です。
前年度の目撃情報では、秋は静岡の方が有望かなと思っていたのですが、昨年出現した場所はイノシシに荒らされていて今年は難しいかもという報告が。今年はダメかと諦めかけていたところ、群馬から目撃の報告があげられました。それを見た翌日の9月23日、他の山に行く計画を変更して行ってきました。場所は群馬県太田市の金山(かなやま)、標高239mになります。
万葉集に歌が載るほど昔から知られた山で、室町時代から安土桃山時代にかけて山城が築かれていました。場所柄、上杉、武田、北条に攻められ、新田義貞を始祖とする城主の由良氏が北条方に付いていたため、秀吉の小田原征伐後は廃城となりました。現在は石垣などの遺構が整備され、周囲の山域と合わせて人気のハイキングコースになっています。
キヌガサタケは頭を出してからベールが広がりきるまで、たった三、四時間という成長の速いキノコで、その後は半日くらいで倒れて朽ちてしまうそうです。この日、綺麗な状態で見ることができたのは一本だけ。倒れて朽ちかけているものや、立ってはいるもののベールが崩れてしまっているものは五本ほど確認しました。
キヌガサタケは悪臭を放つことも有名なので、先端部分に鼻を近づけじっくり嗅いでみました。確かに嫌な臭いがしますが、年を取って感覚が鈍くなっているためか、想像していたよりはマイルドな感じでした。胞子を風で飛ばすのではなく、虫に運ばせるために悪臭を放っておびき寄せていると考えられています。悪臭ではありますが、とてもうまい食材になるそうです。
一本だけとは言え美しいキヌガサタケを見ることができ、はるばる二時間半かけて出かけた甲斐がありました。
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
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キヌガサタケ
を撮る人 |
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アカボシ
ゴマダラ |
残存石垣
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ヒガンバナ
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新田神社
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梅若稲荷神社
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大ケヤキ
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大手虎口
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物見台
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虎口
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堀切
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